数字で見る帝国ホテル
「おもてなし」「笑顔」「コミュニケーション」といった、 サービス業としてのイメージが先行しがちなホテル業。 もちろん、そうした「現場」へのこだわりは、 帝国ホテルがもっとも大切にしていることのひとつです。 けれども同時に、企業でもある帝国ホテル。 歴史を紡ぎ続けるためにはビジネス的な視点も欠かせません。 ここでは、帝国ホテル東京のおおまかな売上構成を基にお話ししたいと思います。
宿泊部門での売上は全体の約20%です。
ホテルと言えば「宿泊」。
帝国ホテル東京にはさまざまな種類の客室が575室、サービスアパートメントが349室あります。
中には国内外のVIPをお迎えする専用のお部屋も。
毎日世界各国の方が宿泊されますが、その内30%以上は帝国ホテルの会員組織
「インペリアルクラブ」のカードを持つ国内外のお客様です。
お客様視点での設備の改善やサービスの強化による顧客満足の向上が、
この売上を支えているのです。
ホテル館内にある直営レストランでの売上が約20%。
帝国ホテル東京には全部で13店舗のレストランとバーラウンジがあります。
その内直営のレストラン6店舗とバーラウンジ5店舗、そしてルームサービスでの売上が
レストラン部門の売上の大部分を占めています。
帝国ホテルが発祥の地である「バイキング」スタイルのレストランは、
帝国ホテル東京では「インペリアルバイキングサール」に引き継がれています。
街中にもレストランが溢れる中、さまざまなジャンルのお店を揃えるだけではなく、
常に時流やニーズを読んだ施策が必要になってきます。
「バイキング」を生み出したレストラン部門では、
帝国ホテルが提供する新しい価値を常に追求しています。
売上は全体の35%を支えています。
帝国ホテル東京の売上のうち、約35%という最も大きな割合を占めるのが宴会部門です。
大小合わせて25以上の宴会場で開催されるご宴席を、約240名のスタッフと、音響や設営などのパートナー企業が一体となってゼロから作り上げています。
大規模な国際会議や企業の周年パーティーをはじめ、ウエディングも宴会部門の売上のひとつ。帝国ホテル東京では年間700件以上のご披露宴が行われ、ご親族のみの小規模なご宴席から、数百人を超える大規模なご宴席まで、一人ひとりにあわせたウエディングをお手伝いしています。
外販事業部門に携わるスタッフは約60名です。
「ホテルの味をご家庭で」をテーマに、帝国ホテルが開発した商品をホテル館内のショップや、
通販、全国の百貨店などで、販売しています。外販事業部門が扱う商品は1,000点以上。
携わるスタッフは、商品の企画、製造、販売など約60名。
客室や宴会場と異なり、ホテルの商品の中では唯一外に向かって販路を拡大していける部門であり、
売上の伸長とともに、まだ帝国ホテルを利用したことがないお客様に向けたPRも期待できると言えます。
帝国ホテル東京には、賃貸オフィスとショップテナントがあり、
その家賃収入が不動産事業部門売上の大きな柱となっています。
「ホテル」の仕事とは少し異なるように感じられますが、「帝国ホテル」が提供するにふさわしい
オフィス環境の整備を推進したり、お客様のニーズに合致するテナントの誘致を行うことで、
帝国ホテルブランドの向上にも貢献しています。
不動産事業部門の売上が全体に占める割合は大きくはありませんが、
安定的な収入は、帝国ホテルが変わらぬサービスを提供していくための礎を担っているといっても
過言ではありません。
例えば、東京国際フォーラムのケータリング部門の運営を受託していたり、
他のホテルの運営に関するコンサルティングを行ったり、帝国ホテルはホテル館外でも事業を展開しています。
もしかしたら今後、新たな事業が誕生するかもしれません。
ホテルであり、企業でもある帝国ホテル。
この情報から、企業としての帝国ホテルにどの様な可能性を見つけることができましたか?
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