




130周年への思い
帝国ホテルは1890年の開業からおかげさまで130周年を迎えました。
その歴史は、挑戦の連続でした。
日本の迎賓館として誕生したその使命に違うことなく
そして新たな時代に向き合い
未来に向かって挑戦し続けます。
More Imperial than ever.
帝国ホテルの歴史





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1890
年- 11.03
- 「日本の迎賓館」として「帝国ホテル」開業
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1910
年- 02.25
- ホテル初の郵便局開設
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1911
年- 日本初のランドリーサービスを導入
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1923
年- 09.01
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フランク・ロイド・ライトが設計した「ライト館」が開業
ホテルではじめてウェディングサービスを開始
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1933
年- 10.06
- 日本初の本格的山岳リゾートホテルとして「上高地帝国ホテル」を開業
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1958
年- 08.01
- バイキングスタイルの「インペリアルバイキング」開店
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1996
年- 03.15
- 「水・緑・花そして光と影」をテーマに「帝国ホテル 大阪」開業

お客さまの立場に立って、座って、考える。
帝国ホテルは、1890年に日本の迎賓館の役割を担って開業して以来、多くのお客さまをお迎えしてまいりました。
「何かご不便なことはないか」、常にお客さまの立場に立って考え、些細なことにも気付くことのできる努力の積み重ねが、安心して快適にお過ごしいただくためのおもてなしに繋がるという想いから私たちは日々取り組んでいます。
例えば、車いすのお客さまの視点に立って初めて見える景色があります。帝国ホテルではスタッフが実際に車いすに乗る研修などを通じてより良いおもてなしを考える機会を重ね、客室の設備やご案内の仕方を改良してきました。できることは、きっとまだある。
多様なお客さまに今よりもさらに心地よくお過ごしいただける空間作りを、お一人おひとりの立場から考え続けます。

自然の恵みに、自然と感謝する場所があります。
帝国ホテルでは「国際社会の発展と人々の豊かでゆとりある生活と文化の向上に貢献する」という企業理念のもと、これまでもサステナブルな活動を行ってまいりました。この度、SDGs達成により一層貢献するための取り組みとして、従業員食堂を自営化し「サステナブル カフェテリア エスポワール」と名付け運営を開始しました。施設名には、社会やホテル、そしてホテルの従業員における持続可能性に向けた取り組みに将来への希望(フランス語で“Espoir”エスポワール)を託す、という思いを込めています。
ホテルは食材を贅沢に使う場所、だからこそ、無駄なく使い切ることにもとことん取り組みたい。帝国ホテルの従業員食堂では、お客様の料理に使わない部位や端材が、シェフの工夫でおいしく生まれ変わります。毎日の休憩時間に、お腹と心を満たしながら、自然と地球のことを考える。一人ひとりに、サステナブルな意識を。私たちの未来への責任です。

世界の要人にも、食卓の子供たちにも、同じ笑顔を。
今年、生誕100年。帝国ホテル第11代料理長・村上信夫は、エネルギッシュなシェフでした。日本初のブフェ形式レストラン「インペリアルバイキング」を主導し、1964年東京五輪では選手村食堂の料理長として、全国から集まった料理人に調理技術を伝え日本におけるフランス料理の発展に貢献する一方、冷凍技術の研究に携わりその普及を後押ししました。また、テレビの料理番組にレギュラー出演し、一般家庭に西洋料理を広める役割も担いました。その根底にあるのは、「料理を通して人々を幸せにしたい」という気持ち。村上の料理に対する信念は「おいしい料理は愛情と真心」でした。
今から半世紀も前に、世界の賓客を日本のフランス料理で感嘆させ、一方、お茶の間にも親しみやすい洋食を伝える。食を通じて、笑顔と豊かな体験を人々に広めたい。そのためなら努力を厭わない―村上の思いは私たちの姿勢の原点であり、永遠のお手本です。

目で洗う。手で見る。
今から110年前の1911年、海外から船旅でいらっしゃるお客様に、より快適にご滞在いただけるよう、帝国ホテルでは「洗濯部」が創設されました。ホテルで使用するリネン類はもとより、ご宿泊のお客様の洗濯物をお預かりし、取り扱うという態勢を整え、以降1世紀以上にわたりランドリー部門の強化に力を入れ、サービスを行ってまいりました。そして今でも、ホテル直営のランドリー工場でホテルスタッフが運営しています。
生地の状態、ほつれや汚れ、その服の特徴を目で見てしっかり見極める、そしてそれを手で触れて丁寧に確かめる。熟練のスタッフが、お客様と向き合うように、日々衣類と向き合っています。それは、お預かりした服はお客様の大切な分身だから。ホテルマンだからこそ、今も昔も、向き合っているのは「洗濯物」ではなくて、その先にいる「お客様」なのです。
110年前から変わらない姿勢。その心と技術をこれからも受け継いでいきます。

ご自宅で、帝国ホテル。期待を超えたいと思いました。
帝国ホテルに製パン部が創設されて今年で110周年を迎えます。それを記念して、新作の食パン「Cerne(セルン)」が誕生しました。耳はバター香るサクサクとしたクロワッサン生地、中はもっちりした食パン生地、という特別な一本です。
初代会長 渋沢栄一の「逆境の時こそ力を尽くす」という教えにもあるように、逆境に直面した時こそ「未来に向けて今できることは何か」を考える中で、ホテルへお越しになれないお客さまにも、ホテルで過ごすようなおもてなしを届けたいとの思いから開発に至りました。ご自宅でのお食事の機会が増える昨今、毎日の食卓で、心を込めたおいしさと感動を味わっていただきたい。その想いを、“年輪”を重ね磨いてきた職人の技で形にしました。
一口で、誰もが思わず笑顔になる―そんなひと時を願って大切に焼き上げています。

あたたかく、静謐で、変わらない、夜の風物詩
肌寒くなる夕方。スタッフがロビーのマントルピースに火を入れる。夕食後は炎を眺め、薪のはぜる音に耳を傾け静かに過ごす―上高地帝国ホテルの夜の風景です。
2021年4月26日、本年の営業を開始いたしました。マントルピースの点火式は、お客さま同士の密を避けるため一度は中止も考えましたが、毎年楽しみにしているとのお声も多く、安全に配慮して続けています。
大自然に囲まれ、木の温もりを感じられる空間で過ごす時間は、上高地帝国ホテルならではのひとときです。ホテルの象徴ともいえるマントルピースは、常に落ち着いた佇まいでそこに安らぎを与えてくれます。生活の変化が激しい昨今ではありますが、いつ訪れても静かに変わらない風景がここにはあります。そして、いつもと変わらない居心地でお客さまにお過ごしいただきたいというスタッフの想いも変わることはありません。
夜の風物詩として消してはいけない炎。今日も心を込めて点火します。

挑戦の先に、新しい価値を。いまも、これからも。
2021年3月、帝国ホテル内に「サービスアパートメント」が誕生しました。専属サービスアテンダントによる24時間対応のサービスや、お食事などをサブスクリプション方式でご提供するなど、ホテルならではのサービスや施設を普段のライフシーンの中でご利用いただける「ホテルに住まう」という新しい価値のご提案です。第二の仕事場やセカンドハウスとしてもご活用いただけます。
帝国ホテルは130年以上の歴史において、様々な岐路に直面してまいりましたが、その度に、変えるべきもの、守るべきものを慎重に選別し、時代のニーズを見極め、挑戦を繰り返してまいりました。今までの概念や慣習にとらわれず新しい価値を生み出し続ける―それは帝国ホテルが開業以来、大切にしてきた姿勢でもあります。お客さまのひとときがより豊かなものとなるように、これからも未来を描くホテルとして進化してまいります。

この地に感謝し、世界を迎える。これからも。
帝国ホテル 大阪は、1996年3月15日に「地域に密着した明るく開放的なホテルとして国際都市・大阪の発展に貢献していきたい」という想いを掲げ開業しました。
春には桜が咲き誇り、夏には天神祭りが開催される活力に満ちたこの土地と、地域の皆さまに支えられ、おかげさまで本年、開業25周年を迎えることができました。
周年を記念したロゴマークには、コーポレートカラーであるインペリアルレッドを用いた25thの文字の背景に、インペリアルゴールドの輪をあしらうことで、融和的で華やかなイメージを表現しました。2つの輪は、スローガンに謳っている「感謝」と「おもてなし」への想いを形にしており、全体の弾むようなフォルムによって、未来に向かうパワーや躍動感を表現しています。
私たちは、日本の迎賓館の役割を担って誕生したホテルとして、この大阪の地においても関西圏の国際的な発展に貢献し続けていくと同時に、この美しい自然や魅力的な文化を発信し続けてまいります。

その人の強い思いがあるから、帝国ホテルは迷わない。
「日本資本主義の父」と呼ばれ、500社以上の企業設立や運営に関わった渋沢栄一。
著書である「論語と算盤」において、今から100年以上も前に資本主義が抱える問題に警鐘を鳴らしました。社会のためになる道徳に基づいた経済活動の重要性を説き、一個人ではなく、多くの人や社会全体の利益になる事業を次々と立ち上げたのです。
帝国ホテルもそのひとつ。明治政府の要請に応え、国益に寄与し国際社会に誇れるグランドホテルを設立するためにその発起人筆頭となり、開業後は19年間にも及び経営のかじ取りを担いました。渋沢栄一初代会長の胸像は、約一世紀にわたり敷地内で私たちを見守っています。「人々の幸せや社会の発展のために役に立つこと」−−その教えは、いつの時代も変わらぬ道しるべとして私たちを導いてくれるのです。
※画像に表示されているVISCはVISCOUNT「子爵」の意

フランス料理の教えは、未来への教えでした。
フランス料理は元来、地方料理の集合体であり、フランス人の、世代を繋いでいくための知恵が、長い歴史の中で醸成して根付いた食文化です。各地で採れた食材を、余すことなく活かす調理法を基本に据えています。開業から130年間、一貫してフランス料理をメインに提供してきた帝国ホテル。その本場の思想は、代々の料理人たちに連綿と受け継がれています。
例えば、海老の身はソテーにし、頭や殻はビスクスープにするなど、食材が持つ美味しさを最大限活かし、お客さまにご提供しています。食材の恵みと真摯に向き合い、その先の未来を見つめる。先人から学んだ教えを胸に、私たちはこれからも真の豊かさを繋いでいきます。

お二人の決意に、全力で寄り添いたい。
このような時期に式を挙げて良いのだろうか。お二人の思いだけではなく、周囲からの心配の声もあるかもしれません。ぜひ立ち止まらずに、どのようなことでもご相談ください。お二人が抱える迷いやお悩みに、私たちも同じ目線で寄り添っていきたいと思っています。そして、開催を決心されたのであれば、必ず「行なって良かった」と思っていただきたい。親しい方々に囲まれて、もしくはお二人だけのセレモニーなど―。どのような形を選ばれても、人と人とが結ばれる晴れの良き日を安心してお迎えいただけるよう、私たち帝国ホテルは全力でサポートします。

集う。その力を、信じています。
人々の幸せや社会の発展のために役に立つこと。本年11月3日に開業130周年を迎えた帝国ホテルは、1909年まで初代会長をつとめた渋沢栄一の教えと共に、その歴史を歩んできました。2020年、時代が大きく変わろうとしています。ホテルの真の存在意義が問われている今、私たちにできることは何なのか。密を避け衛生的な安全を担保し、人と人が安心して集える空間をしっかりと整えてご提供することこそが、この先のホテルに求められることなのだと信じています。そしてそこから生まれる文化的で豊かな未来を信じ、私たちはこれからもお客さまをお迎えし続けます。

美食家の王様が、出会いの一歩を踏み出しました。
さまざまな人々が、希望や思いを抱いて行き交う東京駅。その景色に、胸を躍らせているお店があります。
「プティ ガルガンチュワ」。
フランソワ・ラブレーの小説に登場する美食家の王様の名前を冠して、1970年から日比谷の地で長年愛され続けてきたホテルショップ「ガルガンチュワ」の初めての姉妹店です。受け継がれた技で焼き上げた洋菓子を、軽やかな装いでお届けします。130周年を迎える今だからこそ、新たな挑戦を。王様が踏み出している一歩は、新たなお客さまとの出会いの一歩でもあるのです。

時代の波は、バイキングを進化させるチャンスでした。
「好きなものを好きな時に好きなだけ」楽しめるバイキングスタイルは、1958年に帝国ホテルで始まりました。その後、“バイキング”はその言葉とともに新しい食文化として日本全国に広まっていきました。
日本にバイキングを紹介したホテルとして、新しい時代にふさわしい、よりお楽しみいただけるサービスを提供したい。その思いを胸に、8月1日のバイキングの日(日本記念日協会に登録)に、ブフェレストラン「インペリアルバイキング サール」は生まれ変わりました。安全の徹底はもちろん、出来立ての料理をお届けすることにこだわりました。音や香りを楽しめるように、料理人がお客さまの前で料理を仕上げる工夫も。「五感で楽しむオーダーバイキング」という新しいスタイルへの挑戦です。どんな波も超え、舵を切って進もう。新しいバイキングに込めた思いまで、味わっていただけますように。

スタッフ一人ひとりが真剣に向き合いました。
2020年4月から5月にかけての約2か月間、緊急事態宣言が発動され、帝国ホテルは大幅に営業を縮小しました。多くの従業員が自宅待機をする中、突如、一通のメールが全従業員約2500名のもとに届いたのです。
タイトルは、「帝国ホテルで働く皆さんへ」。送信者は社長の定保でした。
「お客さまに安心してご来館いただけるアイデアを募りたい」という内容を受け、一週間で集まったアイデアの数は、5473件。
「何か今の私たちに出来ることはないか」「もっとできることがある」「今こそ変わらなければならない」―――開業以来、様々な逆境を超えてきた原動力は、どんな時もスタッフ一人の自分たちで何とかしたいという思いでした。私たちは、それを「現場力」と呼んでいます。これからも、130年間紡がれてきた変わらぬ心と共に、お客さまをお迎えします。

できることを徹底的に行う。帝国ホテルの文化です。
「安全性の追求」は、帝国ホテルのすべての経営方針において土台となる重点項目です。お客さまの安全・安心のためにできることを徹底的に行う。それは今年で130周年を迎える帝国ホテルに連綿と受け継がれてきた文化でもあります。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため生活習慣が変わる中、その姿勢はより強くなっています。飛沫防止のためマスクやフェイスガードを着用するほか、アクリル板を設置する。こまめにアルコール消毒を実施する。それらの日々の基本的な対策を、確実にコツコツと行います。安心しておくつろぎいただくためには、お客さまにご協力いただくこともあると思います。
このような時だからこそ、帝国ホテルは今できることを万全の態勢で徹底してまいります。

これからの100年も、美味しくあり続けるために。
帝国ホテルの開業以来受け継がれるフランス料理。食材を取り巻く環境は時代とともに変化しています。例えば、オムレツ。卵ひとつをとっても、130年前と今では味も鮮度も同じではありません。また、食材だけでなく食文化やお客様の味覚も多様化していきます。そんな、時代の変化に合わせて、帝国ホテルの確かな味を守りながらも、時代に合わせて変えていくこと。それが、私たちの使命であると考えています。歴史にふさわしく、未来にふさわしく。若き新料理長とともに、約450名の料理人の挑戦は続きます。

真紅のバラと光のバラがお迎えします。
冬が訪れるとロビーに飾られる約1000本の真紅のバラ。この季節の定番となった赤いバラは毎年少しずつ異なったアレンジを加え、訪れる方をお迎えします。そして、ロビーには一年を通じてお客様をお迎えするバラがもう一種類あるのをご存じでしょうか。
それは、天井で輝くシャンデリアの「ゴールデンローズ」です。368枚のガラスを組み合わせて作られた金色のバラは、あたたかな光でロビーを照らしています。変わらない光でロビーを照らす金色のバラと、毎年装いを変えてお客様をお迎えする真紅のバラ。それは、時代を超えても変わることのない想いと、日々心新たにお客様に向きあう姿勢の象徴でもあります。この2つの心を大切に、帝国ホテルはお客様をお迎えして参ります。

















