シナモン香る「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」を2人のシェフと一緒に深堀り!

  • 帝国ホテル 東京
  • ホテルショップ

最終更新日:2024年3月22日

数ある帝国ホテルの洋菓子のなかでもロングセラーを誇る、シナモン香る「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」をさまざまな面からクローズアップします。今回はパイを手掛ける帝国ホテルの2部門のシェフによる対談も実現。知られざる作り手のこだわりにもご注目ください。

シナモン香る帝国ホテルの「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」とは?

帝国ホテルに初めて「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」が登場したのは、今から50年以上前。ホテルショップ「ガルガンチュワ」が開店した当初のことです。詳しい書献は残っていませんが、「ブルーベリーパイ」は終戦後、進駐軍の「本国と同じパイを再現してほしい」というリクエストから生まれたといわれています。「アップルパイ」も戦後、アメリカ軍が残していったレシピを参考にしたとか。 

帝国ホテルの「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」の特徴のひとつは、2種類のパイ生地を使用し、食感の良さを追求していること。職人がひとつひとつ丁寧に仕上げる生地の中には、昔から変わらぬレシピで作るフィリングを詰めています。  サイズも直径9cmから直径21cmまで、豊富にご用意。お客さまからは「ホールサイズを毎年誕生日ケーキの代わりに予約している」「直径9cmのブルーベリーパイは取引先へのお土産として利用している」「帝国ホテルに宿泊する際は必ずお土産に買って帰る」「翌日も軽く温めると美味しいのでお持たせによい」など、さまざまなお声が寄せられています。

帝国ホテルのベーカリー&ペストリーシェフが明かす シナモン香る「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」のこだわり

  • <左から>帝国ホテルベーカリーシェフ 黒川英之、帝国ホテルペストリーシェフ 秋城俊徳

続いては「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」作りに携わる、帝国ホテルのベーカリーシェフ黒川英之とペストリーシェフ秋城俊徳の対談をお届けします。どちらのパイも、生地はベーカリー部門が担当。フィリングに関しては「アップルパイ」はベーカリー部門、「ブルーベリーパイ」はペストリー部門で作っています。

帝国ホテルの「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」は、生地の食感と香りのよさが印象的です。まずは生地を作っているベーカリー部門の黒川シェフから、製法のこだわりをお聞かせください。

黒川:どちらのパイも格子状の上部に折りパイ、土台には練りパイと、2種類のパイ生地を使用しています。バターが層になるように繰り返し折るパイはサクッとした軽やかさを追求し、生地にバターを練りこむパイはザクッとした食べ応えを楽しめる生地です。しっかりと焼き上げることで、バターの香りと食感を出しています。土台にはフィリングの水分を受け止めても生っぽくならないように、ジェノワーズのケーキクラム(そぼろ状に細かくしたスポンジ生地)をのせています。

秋城:食品ロス削減として、このケーキクラムは、ホテルの宴会やレストランでケーキを作る際に余った部分を使用しています。ちなみに「ブルーベリーパイ」は昔からこの形ですが、「アップルパイ」の方は20年ほど前に表面が現在の格子状に変わりましたよね。

黒川:そうなんです。フラットな生地で表面に蓋をするように作っていた頃と比べると、作業工程の手間は増えましたが、生地を格子状にすることで食べた時の味わいのバランスがとても良くなったと思います。

続いてフィリングのこだわりを教えてください。帝国ホテルでは「アップルパイ」はベーカリー部門、「ブルーベリーパイ」はペストリー部門で作られているそうですね。

秋城:はい。まず私たちペストリー部門が担当する「ブルーベリーパイ」のフィリングからお話すると、材料や配合は昔から変えず、アメリカ産のワイルドブルーベリーのシロップ漬けを使っています。粒が小さくて潰れやすいので、果肉感を生かすために実と液体を分けて火を入れています。一回につき数十キロを一気に炊き上げ、その後休ませるため、フィリングの完成までに2日はかかります。ブルーベリーは時期などによって実の柔らかさが異なるので、炊き上げる際のとろみのつけ方や見極め方が非常に大切です。ブルーベリーの炊き上げ方がよくないと、パイを焼き上げた時に表面からあふれてしまうこともありますしね。ですから、いつも変わらない味を提供するために、経験を重ねたごく限られたベテランの職人が担当しています。

黒川:フィリングにシナモンが効いていて、ブルーベリーの味が引き立つのと、焼いたときの香りが特徴ですよね。
私たちベーカリー部門が担当する「アップルパイ」のフィリングは、ほどよい酸味のある長野県産の紅玉を使用しています。年間5000㎏程度、毎年一番いい時期に一度に仕入れ、りんごの形が残る程度にしっかりとコンポートし、シナモンとバターでバランスを整えています。
ちなみに、仕上げとして、ブルーベリーパイはクラシックにアプリコットジャムを、アップルパイはリンゴ風味の艶出しを塗っています。

「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」はいずれも多彩なサイズを展開していますね。その種類や、サイズによるさまざまなこだわりをいろいろお聞かせいただきたいと思います。

秋城:帝国ホテル東京 ホテルショップ「ガルガンチュワ」で販売しているのは、いずれのパイも直径9cm・16cm・18cm・21cmの4種類です。ただ、店頭で常時販売しているのは直径9cmの商品のみで、直径16cm以上のパイは3日前までの予約制です。

黒川:特に「ブルーベリーパイ」は早めに売り切れてしまうこともありますが、1日に2回以上焼いていますので、スタッフにお声がけください。

黒川:サイズ別のこだわりは、例えば大きなサイズのパイは、放射状にカットすると中心部のフィリングの量が多くなり、縁の生地が厚くなりますよね。そこをふまえ、どのサイズでも生地とフィリングをバランスよく楽しめるように調整をしています。「アップルパイ」は、9cmのパイに詰めるフィリングは少し小さくカットしているので、大きなパイの方がごろっとしたりんごの歯ごたえを感じるかもしれませんね。

秋山:上にかけている帯状のパイ生地も、パイの直径に応じて0.25㎜単位で厚みを調整して作っているということですが···。

黒川:はい、生地が厚いとサイズによって火の入りが変わるので。ひとつずつ手作業で網掛けしているのですが、小さいサイズの方が細かい作業になるので難しいですね。パイ生地は時間が経つにつれて柔らかくなってしまうので、生地の温度管理が非常に重要で、スピード勝負です。昔、初めて網掛けの作業をした時に、一見簡単そうな作業が、実際にやってみると難しくて驚いたことを覚えています。

最後に、2つのパイをより美味しく召し上がっていただくための楽しみ方を教えてください。

秋城:ホールのパイの切り方は、いずれのパイも1/6〜1/8くらいにカットするとちょうどよいかと思います。温める際は、トースターでは焦げてしまうので、170~180℃のオーブンがおすすめです。

黒川:熱々のパイにアイスクリームをのせて、ア・ラ・モードにしてお召し上がりいただくのもおすすめです。

シナモン香る「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」はここで手に入れる!

シナモン香る「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」は形状によって販売場所等が異なります。ご希望のアイテムを確実にお求めいただけるための情報をまとめました。

その1:ホテルショップ「ガルガンチュワ」

  • 「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」販売場所

毎日ホテルで焼き上げる「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」をお求めいただけるのは、ホテルショップ「ガルガンチュワ」です。常時店頭にご用意している直径9cmのパイは1個からご購入可能で、翌日までのお日持ちです。

  • <左から>直径9cmの「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」

直径16cm・18cm・21cmの大きなサイズは、「アップルパイ」「ブルーベリーパイ」ともにご予約制となります。直径9cmの小ぶりなパイとはまた違った特別感がありますので、記念日のお祝いやホームパーティーなどにいかがでしょうか。
※ご希望日の3日前の18時までにご予約ください。

  • <上から>直径18cmの「ブルーベリーパイ」、直径16cmの「ブルーベリーパイ」(中)、直径21cmの「アップルパイ」

その2:帝国ホテル オンラインショップ

  • 「アップルパイ」「ブルーベリーパイ」販売場所

帝国ホテルオンラインショップでは、ホテルショップ「ガルガンチュワ」で販売している「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」を、1箱2個入りの冷凍タイプでご用意しております。こちらの商品も2種類のパイ生地を使用しており、ホテルにお越しになる機会がない方や遠方にお住まいの方への贈り物として、帝国ホテルの伝統の味をお取り寄せできると好評をいただいています。一晩冷蔵庫で解凍するだけでお召し上がりいただける冷凍パイは、手軽さも嬉しいポイント。冷凍庫に常備しておけば、いつでも好きなときにお楽しみいただくことができます。

  • 上記アイテムはホテルショップ「ガルガンチュワ」でも販売しています。 

身につけて楽しむグッズ、「ブルーベリーパイ キーホルダー」にも注目を!

帝国ホテルの「ブルーベリーパイ」は、その人気の高さからグッズも販売されていることをご存じでしたか? おすすめのひとつが「ブルーベリーパイ キーホルダー」です。ホールサイズのパイをカットしたデザインで、「IMPERIAL HOTEL」のロゴが刻まれたプレート付き。専用の袋とボックスに入っていますので、ギフトにも最適です。

帝国ホテルを代表するお菓子である「アップルパイ」と「ブルーベリーパイ」。2人のシェフが語るこだわりを知ったことで、より美味しく味わっていただけるのではないでしょうか。ぜひパイを頬張りながら、素敵なひとときをお過ごしください。   

Profile

  • 黒川 英之 帝国ホテル 東京 調理部 ベーカリー課課長

    1995年帝国ホテル入社。2005年〜2006年に上高地帝国ホテルでベーカリー責任者を務め、2014年に現職に就任。

Profile

  • 秋城 俊徳 帝国ホテル 東京 調理部 ペストリー課課長

    1996年帝国ホテル入社。2009年3月に、世界パティスリー2009において、日本チーム キャプテンとして優勝に輝く。2023年に現職に就任。

商品撮影(静物)/升谷玲子(studio Bloom Room)
商品撮影(シェフ)/富貴塚 悠太
スタイリング/渡辺陽子
文/外川ゆい
編集/小松めぐみ

  • 商品内容は取材当時のものです。最新情報はオンラインショップまたはホームページをご確認ください。

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