スイーツギフトでも人気急上昇。帝国ホテル「アイスバー」、パティシエに聞くこだわり
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美しいビジュアルが目を惹き、口にした方々を虜にする帝国ホテルの「アイスバー」。今回は、その開発秘話や4種類のフレーバーそれぞれの魅力、人気を集める秘密などを、監修を務めた帝国ホテル 東京のパティシエ・西川広三がナビゲートします。
世界が認める技と知恵を集結した帝国ホテル「アイスバー」とは?
「一皿のデザートを1本のアイスバーで表現したい」というコンセプトのもと、帝国ホテル初となるアイスバーが発売されたのは2021年夏のこと。
2020年にイタリア・リミニで開催されたジェラートのワールドカップ「コッパ・デルモンド・デラ・ジェラテリア」に日本代表として参加し、準優勝した帝国ホテルチームのひとりであるパティシエ西川広三を中心に1年以上の開発期間を経て誕生。フレンチペストリーの技術とイタリアンジェラートのエッセンスを融合させた、帝国ホテルにしかつくることのできないオリジナルの商品が仲間入りしました。
フレーバーは、「チョコレートピスタチオ」「トロピカル」「ラズベリーバニラ」「宇治抹茶」の4種類。発売以来、その美しい"映える"ビジュアルからも話題を集めています。
「アイスバー」を監修した帝国ホテルパティシエ西川広三に聞く 開発秘話
帝国ホテル 東京パティシエの西川広三にアイスバーの開発にまつわるエピソードを聞きました。
アイスバーにはジェラートの要素が加わっていると聞いています。西川さんは、どのようにしてジェラートづくりと出会い、その知識を深めたのですか?
私がジェラートに興味を持ったきっかけは、2016年に開催された「第10回アシエット・デセール・コンテスト」に出場し優勝をしたことです。アシエット・デセールとは、「皿盛りのデザート」を意味し、アイスクリームやジェラートなどの氷菓を使用することが条件でした。このコンクール出場を機に、本場イタリアで学びたいと思い海外研修へ。その後、2018年のアジア予選を経て、2020年に開催されたジェラートのワールドカップ「コッパ・デルモンド・デラ・ジェラテリア」に日本代表として出場し、イタリアに次ぐ準優勝を果たすことができました。
我々のチームは、パティシエ3名、料理人1名の計4名が帝国ホテルからの選出。ジェラート専門の職人がいることが当たり前のイタリアやフランスのチームなどからは、「(ジェラート職人がいないなんて)ウソでしょう⁉」と驚かれましたが、日頃同じホテルで働いている強みを生かし、コミュニケーションを密に取り、互いの役割をフォローし合うことで勝利を掴むことができました。
「アイスバー」のフレーバーを考案する際に大切にしたポイントをお聞かせください。
「一皿のデザートを1本のアイスバーで表現したい」というコンセプトをもとに、素材の組み合わせを試作するなかで、何を食べているのかがしっかりと伝わるオーソドックスな味わいであることをベースに組み立てました。
例えば、「ラズベリーバニラ」は、フランス料理の伝統的なデザートのひとつ「ピーチメルバ」から着想を得たものです。トッピングのピーチとストロベリーの果肉を食感豊かに、まさに一皿のデザートを味わっているようなリッチな味わいを表現しています。
また、いずれのフレーバーも満足感がありながらも、食べた後にのどが渇くような甘さや濃厚さが残らないようにコントロールしました。
4種類のそれぞれのこだわりを教えてください。
1「チョコレートピスタチオ」
比較的定番の組み合わせなので、構想を決定するまでに比較的時間がかかりませんでした。一方で、チョコレート×ピスタチオの組み合わせは重くなりがちなので、口溶けのよさに加えて食感で軽やかさを演出しました。
また、ベルギー産チョコレートとピスタチオのアイスの間には、刻んだフレーク状のチョコレートを忍ばせ、アーモンドとビスケットのクランチ、ピスタチオを合わせたチョコレートのコーティングは表面だけでなく、側面や裏側にも施して食感のアクセントも加えています。
2「トロピカル」
アルフォンソマンゴーのシャーベットとココナッツミルクのアイスクリームを合わせています。マンゴーの層がシャーベットにありがちな固い食感にならないよう、柔らかさにこだわりました。表面にトッピングしたマンゴーとキウイフルーツの果肉は、1㎝角ほどです。食べる時に口の中で果肉だけが残らない、食べやすさと食べ応えの両方を追求しました。
3「ラズベリーバニラ」
鮮やかで存在感あるピーチとストロベリーの果肉をトッピングしました。フランス産ラズベリーを使用した爽やかなシャーベットに、北海道産生クリームとマダガスカル産バニラビーンズを使用した、風味の良いバニラアイスクリームを合わせています。
4「宇治抹茶」
アイスとトッピングが一体になるように試行錯誤を重ねました。贅沢に使用した宇治抹茶アイスの中には、お餅のような食感のソースが入っています。食べた瞬間、とろりとしたやわらかな口当たりに驚いていただけると思います。ホワイトチョコレートのコーティングで味にまろやかさを加え、トッピングのアーモンドクランチ、ビスケット、フリーズドライの小豆が食感のアクセントになっています。
製作時に最後まで苦戦したという口溶けの良さは、どのように改良しましたか?
一般的なジェラートやアイスクリームは、固めの食感に仕上げるのが定番ですが、この商品ではほどよい固さと軽やかな口溶けを目指しました。
製造工程で空気の含有率をギリギリまで上げることで、冷凍庫から出してすぐ召し上がっていただけるやわらかな口当たりを実現しています。空気を含ませすぎると風味が感じられなくなったり、味がぼやけてしまうので、味わいと口どけの両立を目指しました。
例えば「チョコレートピスタチオ」の試作段階では、コーティングのチョコレートが凍らせるとバリッと割れてしまう程固くなってしまいました。なめらかなアイスクリームとの口溶けのスピードが異なると、チョコレートの存在感が勝ってしまいます。そこで、チョコレートにカカオバターとオイルを調合し加えることで、冷凍しても固くなりすぎず、食べた時のアイスクリームとの一体感を出すことに成功しました。
形状へのこだわりがあれば教えてください。
実は、最初からバータイプのものにしようというわけではありませんでした。もともと帝国ホテルではカップタイプのアイスクリームを販売しており、それとは違うスタイルを考えるところからスタートしました。そこで、当時、流行の兆しがあったスティックタイプを採用し、お子さまや女性が大きく口を開けなくても食べやすいよう、現在のスリムな形に辿り着きました。最後までスティックからアイスクリームが溶け落ちることなく食べきれるように調整した、特注のオリジナル型でつくっています。
見た目も華やかな、お取り寄せスイーツとしても注目される帝国ホテル「アイスバー」はどこで買える?
インパクトある美しいビジュアルと、本格的で風味豊かな、口溶けの優しい「アイスバー」は、「帝国ホテルオンラインショップ」で、4種類のフレーバーが2本ずつセットになった詰合わせをお取り寄せいただけます。暑い夏でも溶ける心配がないのも、お取り寄せの嬉しいポイント。ギフトとしてはもちろん、ご自身へのご褒美にも最適な一品です。
パティシエが試作を重ねて現代風に仕上げた「アイスバー」は、帝国ホテル王道の味わいを、年齢や性別を問わず幅広い方々においしく召し上がっていただけます。ぜひ多彩なシーンでお楽しみください。
Profile
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西川広三 帝国ホテル 東京 ペストリー スーシェフ
2004年帝国ホテルに入社後、調理部ペストリー課に配属。2010年モンディアル・デ・ザール・シュクレ(内海杯)日本予選2位、2016年第10回アシエット・デセール・コンテスト優勝、2018年アジアンジェラートカップ2位、2020年「コッパ・デルモンド・デラ・ジェラテリア」準優勝に輝くなど、国内外の数々のコンクールで受賞歴を持つ帝国ホテル期待のパティシエ。2023年4月より現職。
商品撮影/升谷玲子(studio Bloom Room)
スタイリング/渡辺陽子
文/外川ゆい
編集/小松めぐみ
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※商品内容は取材当時のものです。最新情報はオンラインショップまたはホームページをご確認ください。
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