帝国ホテルの初代会長、渋沢栄一の偉業や功績を紹介 企画展示「日本資本主義の父 渋沢栄一と帝国ホテル」 ・初代会長 渋沢栄一を帝国ホテルで発見!歴史探訪宿泊プラン
左:帝国ホテルの初代会長を務めた渋沢栄一(国立国会図書館ウェブサイトより)
右上:本館1階展示スペース「インペリアルタイムズ」
右下:「歴史探訪宿泊プラン」の赤煉瓦をモチーフにしたウェルカムライトミール
帝国ホテル 東京では、2021年2月13日(土)より、ホテル内常設展示スペースにおいて、渋沢栄一と帝国ホテルの関わりを紹介する「日本資本主義の父 渋沢栄一と帝国ホテル」と題した企画展示を行います。また、渋沢翁にちなんだお食事等をお楽しみいただける「初代会長 渋沢栄一を帝国ホテルで発見!歴史探訪宿泊プラン」を2月14日(日)より発売するほか、ご宴会場メニューとして、渋沢翁の米寿祝賀会の席で提供されたメニューなどを参考に考案した洋食弁当を3月16日(火)よりご提供いたします。
◇
帝国ホテルは、1890(明治23)年、西欧化を推進する明治政府の要請に応じ、海外賓客をもてなすためのホテル建設に向け、渋沢栄一や大倉財閥設立者の大倉喜八郎、三井物産を創設した益田孝など、当時を代表する経済人たちが設立発起人となり、宮内省をはじめ当時の名だたる財閥が出資をして開業しました。渋沢栄一は、開業以来19年間経営を舵取りし、初代会長を務めました。
渋沢栄一が大切にしていた「社会の要請に応え、貢献する」という信念は、日本の迎賓館の役割を担い誕生した帝国ホテルの創業の精神そのものであり、当社が掲げる企業理念とも響きあっています。
企画展示ならびに関連商品の詳細は次の通りです。
□企画展示「日本資本主義の父 渋沢栄一と帝国ホテル」
本館1階に2017年7月に開設した、ホテルの歴史を紹介する常設の展示スペース「インペリアル タイムズ」内の特別企画第4弾として、2021年2月から始まるNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で、新1万円札の"顔"となることも決まった渋沢栄一と帝国ホテルの関わりを紹介する企画展示を行います。
※協力:公益財団法人渋沢栄一記念財団 渋沢史料館
- 展示場所:
- 帝国ホテル 東京 本館1階メインロビー内「インペリアル タイムズ」
- 期間:
- 2021年2月13日(土)~2022年1月31日(月)(予定) ※鑑賞無料
- 主な展示内容:
- ・渋沢栄一と帝国ホテル年表
- ・1928年に帝国ホテルで開催された渋沢栄一の米寿祝賀会メニュー(パネル)
- ・青淵先生訓話集(原本)
- ・渋沢栄一が帝国ホテルに残した2つの言葉
- ・渋沢栄一の出身地である埼玉県深谷市より借用の、現存する赤煉瓦
- ・ボルドーワインを愛した渋沢栄一にオマージュを込めて創られたコルクアート など
□初代会長 渋沢栄一を帝国ホテルで発見! 歴史探訪宿泊プラン
日本の近代経済社会の基礎を築いた渋沢栄一に想いを馳せ、その歴史や功績を感じていただける宿泊プランです。
チェックイン後、東京料理長の杉本雄が初代会長 渋沢栄一の数々のエピソードを ベースに考案したウェルカムライトミールをお部屋にお届けし、渋沢栄一の功績を辿る旅がスタートします。ライトミールの一つは赤煉瓦のデザート。東京料理長の杉本が、産業の基盤を築くための事業として「日本煉瓦製造」を設立した渋沢栄一の姿勢や想いにオマージュを込め、赤煉瓦を模したフランス菓子に仕立てました。
また、その他にも、渋沢栄一の故郷 埼玉県深谷市特産品の深谷葱で作ったポター ジュもお楽しみいただけます。
- 期間:
- 2021年2月14日(日)~10月31日(日)
- 部屋タイプ:
- [本館] デラックス(42m²)
- 1室料金:
- 78,000円 (1室2名様ご利用の場合)
- ※1泊朝食付。サービス料・消費税込、宿泊税別
- ※1日10室限定
- ※ご宿泊の3日前15時までのご予約をお願いいたします。
- 内容:
- ・東京料理長 杉本雄によるウェルカムライトミールをお部屋にお届け
- ・埼玉県深谷市「深谷大河ドラマ館」入場券や深谷市名産品など、深谷市とコラボレーションしたお土産付き
- ・24時間ステイ(12時チェックイン、翌日12時チェックアウト)
- 協力:
- 埼玉県深谷市
ご予約・お問合せ:客室予約係 03-3504-1251(9:00~17:00)
料理に込めた想い(東京料理長 杉本 雄)
このプランでお客様をお迎えするにあたり私自身、改めて渋沢初代会長について学ぶために埼玉県深谷市を訪れました。そこで「一滴一滴のしずくが集まり大河となる」という言葉に出会いました。それは強い日本経済、すなわち大河を作り出すには、当時まず、産業を支えるための工場が必要であり、その工場を造り構成するのが、一つ一つの煉瓦である。産業発展のためには、その普遍的なブレのない一滴一滴である煉瓦を製造することが重要であることから、日本初の機械式煉瓦工場を立ち上げた渋沢初代会長の想いに共鳴し、今回、赤煉瓦のデザートを創作しました。
時代を超えて渋沢初代会長に想いを馳せながら、帝国ホテルでのひとときを楽しんでいただけたら嬉しいです。
□渋沢栄一にオマージュを込めたカクテル
Soleil levant ソレイユ・ルヴァン
フランス語で「日の出」を意味するカクテル。国産の色鮮やかな金柑とグラスに閉じ込められた金粉が美しく、「文明開化」の輝きを表現しています。
シャンパンベースのカクテルと、ノンアルコールカクテルをご用意しています。
・アルコール(写真左) 2,090円
・ノンアルコール(写真右)1,870円 ※消費税込み、サービス料別
- 提供場所:
- 本館1階 ランデブーラウンジ
- 販売期間:
- 2021年2月28日(日)まで
- 提供時間:
- 11:00~19:30(ラストオーダー)
- お問い合わせ:
- ランデブーラウンジ 03-3539-8045
□宴会場専用メニュー 洋食弁当「渋沢紀行」
1928(昭和3)年に帝国ホテルで開催された、渋沢栄一米寿祝賀会の献立などを参考に、渋沢栄一初代会長の功績にオマージュをこめ、バンケットシェフが考案いたしました。3月16日よりご提供を開始いたします。
- 販売開始:
- 2021年3月16日(火)
- 価格:
- 10,000円 (消費税、サービス料別)
- ※別途、会場室料、基本音響照明費など
- メニュー内容:
- ●故郷へのオマージュ
- ・深谷ネギのクリームスープ
- ●西洋文化への開眼となった初めての洋行
- ・ブイヤベース
- ●帝国ホテルで開催された米寿祝いの宴席メニューの一部を現代風にアレンジ
- ・牛肉 サラダ仕立て
- ・オマール海老のライス
- ・鶏肉のロースト、野菜添え
- ・カスタードプリン、果物
洋食弁当~新しい会食のスタイル~
季節のフランス料理をお重に詰め合わせました。
短時間でのご提供が叶う新しいスタイルのご提案。
※写真はイメージです(「渋沢紀行」ではありません)。
- お問い合わせ:
- 宴会予約係 個人のお客様 03-3539-8700
- 法人のお客様 03-3539-8670
- ※受付時間 10:00~18:00(土、日、祝日除く)
ご参考【渋沢栄一と帝国ホテル】
■帝国ホテルの設立と渋沢栄一
不平等条約改正を目指す明治政府にとって、帝都・東京を訪れる内外賓客をもてなすのにふさわしい宿泊施設の整備は急務でした。当時の外務卿(外務大臣)の井上馨は、渋沢栄一や大倉喜八郎といった大実業家に一大賓館の建設を持ちかけ、計画が動き出します。渋沢栄一をはじめとした当時を代表する経済人が設立発起人となり、宮内省をはじめ当時の名だたる財閥が出資をし、1890(明治23)年に帝国ホテルは開業しました。
渋沢栄一は、1890年の開業以来19年間経営を舵取りし、初代会長を務めました。
■渋沢栄一が帝国ホテルに残した2つの言葉
●1890年 帝国ホテル開業式の言葉(東京府知事の祝辞に対する答辞)
『その構造は美を尽さずと雖ども能く数百名の大賓を款待するに足るべく其器皿は金を鏤し玉を刻せずと雖ども五州水陸の珍什は一呼立どころに辨ず是れ本館の自から勉め自から任じて譲らざる所なり 知事閣下の其国の民意を察し其文明の點度を徴するに足ると言はるる如き者は本館励精を以て之を他日に期せんと欲す仰願くは朝野内外の貴賓此徵志を諒納せられ幸に眷愛を賜はらんことを謹を以て奉答し並に茲に鳴謝す』
(建物や設備・什器は美を尽くしたものではないが、数百名の賓客をおもてなしするに不足はなく、皿や器も贅をきわめてはいないが、用命があれば世界のどんなものでも調達して便宜を図る。これこそ帝国ホテルが自身の果たすべき役割と心得、絶対に譲らないところだ。知事閣下が、ホテルはその国の民意や文明度を示すものとおっしゃられたことについては、現在は力不足でも、近い将来必ず恥ずかしくないレベルを約束する。どうか、ご愛顧をお願いする)
●渋沢栄一が会長職を辞した後に帝国ホテルを訪れた際、従業員にかけた言葉
『色々の風俗習慣の、色々の国のお客を送迎することは、大変にご苦労なことである。骨の折れる仕事である。然乍ら君達が丁寧に能く尽して呉れゝば、世界中から集り世界の隅々に帰つて行く人達に日本を忘れずに帰らせ、一生日本をなつかしく思出させることの出来る、国家の為にも非常に大切な仕事である。精進してやつて下さいよ』
■渋沢栄一の精神が宿る帝国ホテルの企業理念
帝国ホテルの企業理念である「帝国ホテルは、創業の精神を継ぐ日本の代表ホテルであり国際的ベストホテルを目指す企業として、最も優れたサービスと商品を提供することにより、国際社会の発展と人々の豊かでゆとりある生活と文化の向上に貢献する。」は、初代会長である渋沢栄一の教えと深く響き合っており、そのDNAは今も脈々と帝国ホテルの従業員の心に受け継がれています。
■ホテル内に設置されている渋沢栄一の胸像
帝国ホテル東京の敷地内には、渋沢栄一初代会長の胸像があります。その胸像は、渋沢栄一が会長職を辞した16年後(当時86歳)の1925(大正14)年に造られました。当初は、1923年に開業した2代目本館(ライト館)内の中央にあった大食堂を挟んで、渋沢栄一像と、2代目会長の大倉喜八郎像がそれぞれ南北の中庭に設置されました。両胸像は、帝国ホテルの従業員一同が両翁の徳を慕って造ったものです。
1970年、現在の本館が完成した際に、現在の場所に移されました。