社長のごあいさつ

風間 淳 (かざま じゅん)

株式会社帝国ホテル 代表取締役社長

Profile

1986年に明治大学商学部卒業後、株式会社帝国ホテルに入社。約1年間の現場での研修を経て、宿泊部のフロントオフィスに配属。その後、経理部、人事部、営業部と多岐にわたる部署で実績を重ねる。その経験を活かし、ホテル事業統括部長、企画部長を歴任するとともに、帝国ホテル 東京の建て替えプロジェクトを牽引。2025年4月に代表取締役社長に就任し現在に至る。

  • 入社前
    学生時代

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    自分らしく働くために、ホテル業界をめざす。

    大学時代は商学部に所属し、ビジネスや経済について学んでいました。大学3年生の時、ホテルや観光について学べる学外の公開講座を1年間受講しました。もともとデスクワーク中心ではない仕事が好きで、「将来はホテル経営に携わりたい」という想いがあったからです。その公開講座の課外活動としてベルスタッフの実習を経験し、実際にお客様と接する中で、「ホテルなら自分らしく働ける」と強く実感できました。就職活動中はいくつものホテルを受けましたが、最終的に帝国ホテルへの入社を決意。「学歴などの属性よりも、“人”を見てくれる会社」だと面談を通して感じたことが決め手になりました。ただ正直、「面接が多く、最終的に自分は採用されない」と勝手に思っていたので、内定をもらった瞬間は驚きましたね。同時に、「期待に応えるため精一杯頑張ろう」と心に決めました。

  • 入社1年目
    研修期間

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    ホテリエとしての土台に。自分自身の成長の糧に。

    入社後の約1年間は研修期間として、宿泊、調理、レストランの現場で働きました。ホテルの専門的な仕事を一つひとつ経験できたことは、それぞれの業務内容だけではなく、他部署とのつながりまで深く学べる機会になったと実感しています。初めて教わったことを、毎日メモを取り実践して、自分の力に変えていく。その繰り返しを通して、ホテリエとしての土台を築けたと思います。このような研修の存在は入社前から知っていて、他のホテルにはない制度であり、「総合コースとして入社後すぐに、さまざまな現場で働ける」という貴重な経験ができることは、入社への大きな後押しになりました。実際にこの研修で得たすべてが、自分自身の成長の糧になったと言えます。今後も研修制度は帝国ホテルの伝統としてつづけていきたいですね。

  • 入社1年目~ 3年目
    宿泊部

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    グランドホテルのフロントに立つ意味を知る。

    研修後に本配属された部署は宿泊部で、帝国ホテル 東京のフロントオフィスにて、その仕事の奥深さを体感する毎日でしたね。フロントカウンターに立って、お客様に「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と応対する時間は仕事のほんの一部です。ご宿泊されるお客様がどのような目的で滞在されるのか、何回目のご宿泊なのか、ご到着は何時ごろなのかなどを把握して、お客様に最適なお部屋をご用意し、完璧な状態にして鍵をお渡しする。そのための事前準備が何よりも大切でした。さらには、忙しいビジネスパーソンの方であれば、チェックイン時はクイックに応対し、旅行中のファミリーの方であれば観光情報をお伝えしていましたね。常に“お客様目線のサービス”を徹底する。それが日本を代表するグランドホテルのフロントオフィスとしての使命であると、心から思いました。

  • 入社3年目~ 6年目
    経理部

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    目標だった「ホテル経営」の最初の一歩に。

    1988年6月からは経理部に配属されました。学生時代から「ホテルの経営に携わりたい」という強い想いを持っていたので、振り返れば、そのスタートとなった部署でしたね。最初の約2年半は予算策定や資金管理などを担う主計担当として、その後の1年間は資金調達などを担う財務担当として日々の業務に取り組みました。会社のあらゆる動きには、“お金”が関わってきます。どこに流れ、どのように使われていくのか。すべてが“数字”として目に見えるので、「帝国ホテルの企業としての経営は、こうして成り立っているのか」と把握することができました。ホテル経営の奥深さや面白さを実感できたとともに、本格的なマネジメントにチャレンジしたいという気持ちが強くなりました。

  • 入社6年目~ 18年目
    人事部

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    働く人が輝くことで、帝国ホテルも輝く。

    経理部でもっと経験を重ねたいと思っていた中、1991年12月に人事部への異動が決まりました。ただ、「より良い経営のためには働く環境が重要」とも考えていたので、「ここで学ぶべきことが数多くある」とすぐに頭を切り替えました。配属後から8年間にわたって労務を担当し、“働く人目線”で会社のあり方に向き合う日々の中で痛感したのは、ホテルの質は働く人そのものに左右されるということです。だからこそ、労働法規と向き合いながらスタッフ一人ひとりが気持ち良く働ける環境を整えることが、帝国ホテルをより輝かせる一番の道だと思いました。

  • 入社18年目~ 25年目
    営業部

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    帝国ホテルらしく、新しいウエディングを。

    人事部で約12年の経験を積んだ後、2003年8月に営業部へ異動しました。婚礼商品の開発を主に担当することになりましたが、当時の婚礼件数は最盛期から2割も減少しており、従来のアプローチを変えていく必要がある。そんな課題に直面した中でのスタートでしたね。市場調査を進めると、「昭和のホテル」という古いイメージを調査対象であった多くの女性が抱いていました。そこでそのイメージを一新すべく、テーブルクロスやカトラリーといった備品から、婚礼商品の“売り方”に至るまで、あらゆる点を見直すことに。大切にしていたのは伝統を活かしながらも、お客様や時代のニーズに合わせた要素を柔軟かつ能動的に取り入れる姿勢です。セールスや打ち合わせ担当だけではなく、サービス現場のスタッフにも一つひとつ丁寧に説明し、理解を得ながら“帝国ホテルらしさ、そして新しいウエディング”をともに創りあげることができました。お客様からも好評で、この経験によって自分自身も大きく成長できたと思っています。

  • 入社26年目~ 30年目
    ホテル事業統括部

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    帝国ホテルに息づく“伝統と革新”を実践する日々へ。

    2011年4月、帝国ホテルの営業全般をリードするホテル事業統括部の部長に就任しました。まずは、営業部で培った経験を最大限に活かそうと考えましたね。お客様や時代のニーズにしっかりと耳を傾け、そのうえで変えるべきこと・変えないことを丁寧に判断する。そうした視点を軸に、婚礼以外にも宿泊やレストラン、外販など、すべての営業面を見直しました。帝国ホテルに息づく“伝統と革新”という企業風土を、改めて認識する期間でもありました。

  • 入社30年目~ 40年目
    企画部・プロジェクト推進部 ほか

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    キャリアの集大成として、建て替えプロジェクトを牽引。

    ホテル事業統括部の部長として“営業面”をリードした後、2015年4月からは企画部の部長として“経営面”を統括する役割を担いました。それに加えて、帝国ホテル 東京の本館・タワー館の建て替えという、かつてないプロジェクトを牽引することになりました。建て替えは改装とは違って難易度も規模も別次元です。プロジェクトを進めていく中で、当然のようにさまざまな壁が立ちはだかりますが、その一つひとつをクリアしていくために役立ったのが、これまでのキャリアです。現場での研修、経理、人事、営業などのいろいろな経験を重ねてきたからこそ、多角的な視点で物事を解決できるようになりました。2036年までこのプロジェクトはつづきますが、自分のキャリアの集大成として持てる力を発揮し成功させる。当時も今も、その想いは変わりません。

  • 入社40年目~
    代表取締役社長

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    国際的にも、働く人にとってもベストホテルへ。

    帝国ホテル 京都の2026年開業や帝国ホテル 東京の建て替えなど、帝国ホテルは今、未来を見据えた大きな変革期にあります。その中で2025年4月、代表取締役社長に就任しました。社長として成し遂げたい使命は2つ。1つ目は、「日本の迎賓館」としての役割を担って誕生した歴史への誇りを胸に、世界中の人々から評価される「日本的価値観」に基づいたサービスをさらに磨いて、「国際的ベストホテル」をめざすこと。2つ目は、働く人にとってもベストホテルをめざすことです。帝国ホテルの原点は何よりも“人”です。だからこそ自らの仕事に情熱を注いで、誇りと喜びを感じながら働ける場所であるよう、ホテルとしての魅力も職場としての働きやすさも、もっと高めていくことが欠かせません。帝国ホテルとそこで働く人が、ともにより良い未来へ。その道を社長として力強く切り拓いていきたいです。

「新しい感性で、帝国ホテルの次の100年を。」

Message

2036年、グループの旗艦ホテルである帝国ホテル 東京は新たな姿に生まれ変わります。まさに“第二の創業期”を迎えようとしている今だからこそ、これから入社される皆さんには、最高峰のおもてなしを世界中にお届けするだけではなく、新しい感性を発揮しながら今までにない挑戦に踏み出してほしいと思っています。もちろん失敗や苦しい時期を経験するかもしれませんが、ともに助け合いながら乗り越えていく。帝国ホテルにはそんな“家族”のような関係性があるので、安心してチャレンジしてください。「国際的ベストホテル」をめざす。そして、帝国ホテルの次の100年を築く。そのためには、若い人の感性と力が何よりの原動力であると私たちは考えています。皆さんと一緒に働けることを心から楽しみにしています。