帝国ホテル サステナブルな食の取り組み。東京料理長杉本雄監修フレーバーソルトなど
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帝国ホテルでは、お客さまとともにサステナブルな未来に向けて歩むための商品やサービスをご提案しています。今回は帝国ホテル 東京料理長の杉本雄がサステナブルな食の取り組みをご紹介するほか、オンラインショップでもご購入いただけるグッズをご紹介いたします。
帝国ホテルが実践するサステナブルな食の取り組みとは?
帝国ホテルでは「社会の要請に応え、貢献する」という初代会長・渋沢栄一の信念を受け継ぎ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献するべく様々な取り組みを行っています。
たとえば東京・大阪・上高地・柏にある直営4か所のホテルでは、海洋プラスチックごみおよびCO2排出量の削減のため、客室アメニティやペットボトル、ストロー、カトラリーの素材を切り替えを進めています。
客室のアメニティを竹製、木製、バイオマス素材に切り替えることで、プラスチック使用量の約9割が削減されることになります。また、客室に設置している飲料水はペットボトルから紙製容器に切り替えたほか、レストランで提供するストローや、ホテルショップ「ガルガンチュワ」で販売するカトラリーなど、ホテル全体でプラスチック素材の削減を進めています。
2022年度は、「プラスチック資源循環促進法」対象12品目のプラスチック使用を年間約11t削減することを目標としています(削減率約70%、2019年比)。
「食の部門においては、これまで生産者の方々の想いや食品ロス問題にきちんと目が向けられて来なかったという現実がありました。それらに向き合うことがサステナブルな取り組みにとても大切なことだと思います。その一方で、ホテルという場においては、サステナブルな取り組みとラグジュアリーな空間の提供を両立させながら商品の開発を行っていくことがとても重要です」。
こう話す帝国ホテル 東京料理長の杉本雄の指揮により、館内のレストラン・バーをはじめ、ホテルショップ「ガルガンチュワ」、ご宴会のお食事に至るまでサステナブルな観点から様々な取り組みが行われています。
たとえばフランス料理「ラ ブラスリー」やブフェレストラン「インペリアルバイキング サール」では、SDGsの目標のひとつである「海の豊かさを守ろう」に繋がる、愛媛県で環境に配慮して養殖された真鯛を使用しています。"持続可能な養殖業"を掲げる愛媛県では、従来の一般的な養殖方法と異なり、エコフィッシュマニュアルに基づいた海を汚しにくい養殖が行われているのです。
またホテルショップ「ガルガンチュワ」では、食品ロス対策としてパンをつくる過程で出る端材(ブリオッシュフィユテ生地)を使用した「シナモンロール」、野菜の端材とスパイスを合わせてつくったペーストを使用した惣菜「スパイラル」や、食の多様性に対応できる「ヴィーガンフォカッチャサンド」などが販売されているほか、10月1日より、耳まで白くて新食感の食パンを使用したサンドイッチが販売開始予定です。
帝国ホテルのサステナブルな食の取り組みを意識したフレーバーソルト「サステナブルソルト」をクローズアップ
ここからは、帝国ホテルのサステナブルな食の取り組みを象徴する商品のひとつとして好評をいただいているフレーバーソルト、「サステナブルソルト」についてクローズアップします。
サステナブルな食の取り組みを意識したフレーバーソルト「サステナブルソルト」のラインナップ
現在販売中の「サステナブルソルト」は2種類。2021年9月に登場した「サステナブルソルト<根菜>」は、ホテルでポテトサラダをつくる際に本来なら廃棄されてしまうじゃがいもの皮を使用しています。そのじゃがいもの皮を低温のオーブンで焼き上げ、パウダー状にして塩と混ぜた商品です。
肉料理やフレンチフライとの相性が抜群で、「ラ ブラスリー」と「ホテルバル」でお出ししているフレンチフライにも使われています。
2022年1月に登場した「サステナブルソルト<柑橘>」は、館内で提供するグレープフルーツの房の白い薄皮を低温で乾燥させ、塩と混ぜたフレーバーソルト。グレープフルーツ特有の苦みのある味わいが特徴的な「柑橘」は、白身魚のカルパッチョなどの魚料理や揚物をはじめ、アイスクリームなどのスイーツにもよく合います。
サステナブルな食の取り組みを意識したフレーバーソルト「サステナブルソルト」の開発秘話
「サステナブルソルト」は、調理過程で発生する普段は使われる機会のない食材を、あますことなく使用したいという、杉本の思いから誕生しました。
まだまだおいしく食べられる食材を無駄なく使い切り、さらにおいしく召し上がっていただくためにはどうしたらよいかと試行錯誤を繰り返していた杉本は、メインダイニング「レ セゾン」で自身が手掛ける個室プラン「ル サロン アンティミテ」の中で、「サステナブルソルト」の原型となるフレーバーソルトを開発し提供していました。
「イチゴのへたや飲み頃をすぎたワインなどを使ったフレーバーソルトをお客様に提供していました。お食事の際に種明かしをすると、非常に驚かれ『ぜひ販売してほしい』という声にお応えして。商品化を考え始めました」(杉本)。
ちなみに使用している塩は、オーストラリア・西オーストラリア州シャークベイでつくられた天日塩「シャークベイソルト」。杉本がこの塩を選択したのは、二酸化炭素をほとんど排出しない環境にやさしい天日塩製法であることからでした。
このようにして開発されたサステナブルソルトの売り上げの一部は、環境保全活動団体に寄付を行っています。「今まで当然のように廃棄されてきた食材をアップサイクルし、食品ロス問題に微力ながらも貢献したいという思いで商品化までたどり着きました。帝国ホテル 東京ではこれらの収益の一部を、環境保全活動団体に寄付することで生産者の方々に還元ができたらと考えています。この商品を通じて、ご購入されたお客様にも環境保全活動にご参画いただけます」(杉本)。
サステナブルとラグジュアリーの両立を目指す帝国ホテルらしい商品「サステナブルソルト」。キャビアの容器を彷彿させる洗練されたパッケージも魅力のひとつです。
ギフトとして贈ることもできるように、杉本自らデザインにもこだわった別売りの化粧箱も用意されています。
ホテルショップ「ガルガンチュワ」限定で販売をしています。
サステナブルな食の取り組みを意識したフレーバーソルト、「サステナブルソルト」をつかったレシピ
レシピ① しっ鶏(しっとり)ハムのサステナブルソルトがけ
杉本が考案した「サステナブルソルト」を用いたレシピをご紹介します。
まずは「しっ鶏(しっとり)ハムのサステナブルソルトがけ」。
鶏むね肉を開いて円柱状にまるめて蒸した鶏ハムの表面に、「サステナブルソルト<根菜>」をまぶした冷前菜です。ボイルしてスライスしたじゃがいもとスライスした鶏ハムをお皿に盛り付け、フレンチドレッシングで和えたエシャロットとセルバチコを添えてこしょうを振ったら完成です。
「根菜フレーバーの『サステナブルソルト』は、肉類の中でも鶏肉との相性が良いと思います。根菜のフレーバーのもとであるジャガイモを添えることで、味がさらにまとまります」(杉本)。
ちなみに鶏ハムをつくる際は、まず鶏むね肉を円柱状にラップでくるみ、鍋に水を入れて火にかけ、沸騰させた直後鶏むね肉を入れて火を止めてください。鶏むね肉全体が熱湯に浸かった状態で40分〜1時間おき、冷蔵庫に入れてひと晩寝かせたら、しっとりした口当たりの鶏ハムの完成です。
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※時間は目安です。鶏肉のサイズによって異なります。
レシピ② フレンチトースト サステナブルソルトバター添え
続いて杉本がおすすめするレシピは、「フレンチトースト サステナブルソルトバター添え」。
焼いたフレンチトーストの上に、「サステナブルソルト<柑橘>」を練り込んだバターとサイコロ状にカットしたオレンジをのせ、メープルシロップとパウダーシュガーをかけて完成。グレープフルーツ由来のほろ苦さと酸味が生きた、洗練された味わいです。
「サステナブルソルトはこのようにスイーツと併せ、甘味を引き立てる使い方もおすすめです」(杉本)
ちなみにバターにサステナブルソルトを練り込む際は、室温に戻して柔らかくした無塩バター(100g)にサステナブルソルト<柑橘>(3g)とすりおろしたお好みの柑橘の皮(1/2個分)を加えて混ぜてください。それを冷蔵庫で冷やし固めればできあがりです。
まだまだある!オンラインショップでお取り寄せ可能な帝国ホテルのサステナブル商品
このように、サステナブルな取り組みを行う帝国ホテルの中から、オンラインショップで購入可能なアイテムをご紹介します。
ホテルショップ「ガルガンチュワ」ロゴ入りグッズ
落ち着いたグレーの生地に「ガルガンチュワ」のロゴを配したオリジナル「ランチバッグ」(写真左)と「トートバッグ」(写真中)は、リサイクルポリエステルを使用して環境に配慮したサステナブルな製品。
シンプルなデザインでスーツやビジネスバッグとも合わせやすく、ご利用シーンや性別・年代を問わずにお使いいただけるデザインです。「ランチバッグ」は通勤時のお弁当の持ち運びだけでなく、お出かけ時のサブバッグとしてもおすすめです。
「オリジナルエコバッグ」の内側には折りたたんだ際に収納できるポケットがあり、コンパクトにたたむことが可能。
「オリジナル MiiRワイドマウスボトル」(写真右)は、飲み物に金属の味を移したり金属の後味を残さない「18/8ステンレススチール」とダブルウォール真空断熱材を使った保温・保冷性に優れたボトルです。
「ガルガンチュワ」のロゴを入れたこのボトルは、持ち運びがしやすいサイズで、飲み口が大きいためお手入れも簡単。購入金額の一部はアメリカのMiiR(ミアー)社を通じ、支援を必要としている世界中の国や地域へのサポートを行うプロジェクト「Giving Project」の活動資金として寄付されます。
ボトルの底面には、支援したプロジェクトの詳細を確認することができるトラッキングナンバーが付いています。
サステナブルな視点でつくられた帝国ホテルのオリジナルアイテムは、多種多様。持続可能な未来に思いを馳せながらガルガンチュワでのお買い物をお楽しみください。
Profile
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杉本 雄 帝国ホテル 東京 第14代料理長
1999年に帝国ホテルに入社し、2004年に退社して渡仏。帰国までの13年間をフランスで経験を積み、1835年創業のホテル「ル・ムーリス」では、ヤニック・アレノ、アラン・デュカスという名料理人のもとでシェフを務め、同ホテルのメインダイニング(3つ星)では責任者の役割を担った。帰国後は再び帝国ホテルに戻り、2019年4月、第14代東京料理長に就任。
撮影/升谷玲子[商品](studio Bloom Room)
スタイリング/渡辺陽子
編集/小松めぐみ
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※商品内容は取材当時のものです。最新情報はオンラインショップまたはホームページをご確認ください。