サステナビリティ環境への取り組み

当社グループでは、環境配慮が社会から期待される新たなおもてなしの一つと捉え、社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」の下に「SDGsチーム」「3Rチーム」「省エネルギーチーム」を設置するとともに各チームでアクションプランを立て、全社横断的に各取り組みを推進しています。

7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに、11 住み続けられるまちづくりを、12 つくる責任、つかう責任、13 気候変動に具体的な対策を、14 海の豊かさを守ろう、15 陸の豊かさも守ろう

再生可能エネルギーの導入

帝国ホテル 東京および帝国ホテル 大阪では全館でCO2フリー電力を導入し、厨房ガスはカーボンニュートラルLNG(液化天然ガス)を使用しています。また上高地帝国ホテルでは2022年よりカーボンニュートラルでの運営を開始しています。

食品ロス対策

帝国ホテルは「おいしく社会を変える」という考えのもと、「食品ロス削減」に力を入れています。調理時に食材を無駄なく使用する工夫、アップサイクル商品の開発やオーダーバイキングの導入など、各部門で取り組みを進めています。

食品ロスを「環境循環型野菜」に活用

レストランや宴会場で発生する生ごみを、2007年から乾燥させて再資源化し、パートナー企業を通じて野菜栽培用の肥料にしています。その肥料を使って生産された野菜を「環境循環型野菜」として購入し、レストランの一部メニューで使用しています。

サステナブルなオリジナルソルト

野菜の皮や果物の房、甲殻類の殻などを低温オーブンで焼いてパウダー状にし、塩に混ぜてオリジナルソルトとして料理に使用しています。

また、ホテルショップにて商品化し、売上の一部を環境保護を推進する一般社団法人JEANへ寄付しています。

サステナブルソルトイメージ

耳まで白い「新食感の食パン」を開発

帝国ホテル 東京は、廃棄が出ない「新食感の白い食パン W・E Bread(ウィー ブレッド)」を開発し、館内で提供するサンドイッチ商品に導入しています。

これまで見た目の美しさと食感を追求するため、食パンの耳を切り落としていましたが、伝統の味とスタイルを継承しながら食品ロスの削減に寄与する食パンを開発しました。これにより、年間約2.5トンの食品ロス削減を目指します。

従業員食堂の自営化

東京、大阪、上高地の従業員食堂を自営化し、従来、廃棄されているような端材や、販売しきれなかった商品をメニューに活用しています。また、調理スタッフ自らが発案・開発したメニューを提供できる場としています。

2024年3月8日の「国際女性デー」には、女性スタッフがメニューを考案し、シンボルのミモザの花に見立てた料理は従業員から好評でした。

ごみ分別の徹底

「混ぜればごみ、分ければ資源」 を合言葉に、約20種類のごみの分別を行っています。資源ごみを増やす活動として、ごみ処理室、各職場の分別調査を実施したり、ごみ分別を分かりやすく表示したりするなど、ごみ削減に取り組んでいます。

環境に配慮したコーヒーの提供

日本のホテルで初めてレインフォレスト・アライアンス認証を取得した農園産のコーヒーの取り扱いを開始しました。これは、森林保全や農民の労働環境が健全であることを示す認証で、宴会場や一部のレストランで提供しています。

食の多様性の推進

「誰ひとり取り残さない」というSDGsの観点から、国内外のあらゆるお客様が安心して食事を楽しめるよう、2022年10月よりヴィーガンメニューのラインナップを拡充しました。

プラスチック使用量の削減

2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法」に則り、直営4事業所(東京、大阪、上高地、柏)において、同法が対象とする客室アメニティなど12品目をプラスチックから代替素材に順次切り替えています。
2022年度はプラスチックの使用量を年間70%(11トン)削減。2023年度の削減目標率は85.1%と据え、全ての切り替えが完了する2024年度以降は87.5%(対2019年度比)削減することを目指します。

対象12品目のプラスチック使用量削減効果見込み

品目 材質 2019年度使用量(㎏) 2022年度使用量(㎏) 2022年度削減量 実績 2023年度使用量 予測(kg) 2023年度削減率 目標
1 歯ブラシ(1) 代替素材(竹製) 4,384 780 82.2% 500 88.6%
2 ヘアブラシ(2) 代替素材(木製) 5,418 1,095 79.8% 0 100.0%
3 カミソリ(3) 代替素材(竹製) 1,965 952 51.6% 500 74.6%
4 シャワーキャップ 代替素材(バイオマス素材) 429 271 36.8% 200 53.4%
5 ヘアコーム 提供廃止 1,558 213 86.3% 200 87.2%
6~8 フォーク・ナイフ・スプーン(4) 代替素材(植物由来プラスチック) 390 16 95.9% 0 100.0%
9 ハンガー 代替素材(植物由来プラスチック) 821 591 28.0% 350 57.4%
10 衣類用カバー 代替素材(植物由来プラスチック) 740 670 9.5% 600 18.9%
11 マドラー 繰り返し使用 30 0 100.0% 0 100.0%
12 ストロー 代替素材(紙製) 55 0 100.0% 0 100.0%
合計 15,790 4,588 70.9% 2,350 85.1%

SDGs紹介動画「従業員が主役」

公益を追求した渋沢栄一の信念を受け継ぎ、従業員一人ひとりが商品やサービスを通じた真の豊かさとSDGsへの貢献を考えています。「お客様と共にサステナブルな未来を歩みたい」という思いを動画にまとめました。

サステナビリティ調達方針

取引先とともに持続可能で責任ある調達を推進するため、グループ全体を対象に調達方針を策定しました。国際連合や経済産業省のガイドラインとパートナーシップ構築宣言を踏まえ、品質管理や公正・公平な取引はもとより、地球環境や動物福祉への配慮、人権尊重などといった、ホテルや飲食業ならではの視点を加えて12の項目を定め、運用しています。

パートナーシップ構築宣言

一般社団法人日本経済団体連合会・会長、日本商工会議所・会頭、日本労働組合総連合会・会長および関係大臣(内閣府・経済産業省・厚生労働省・農林水産省・国土交通省)をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し、「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。